Co2の排出量が軽油と比べ1/9から1/7に低減されます

研究方法

 評価対象とする燃料廃食油及び植物油のBDF化は、一般的に、右図(a)に示したアルカリ触媒法が用いられているが、発生する排水及び副生成物(グリセリン)の処理が課題となっている。本研究では、これらを解決する製造方法として、STING法に着目した。

 STING法は、右図(b)のように、原料油にメタノールを加え、高温・高圧下で、原料油中の脂肪酸のメチルエステル化及び熱分解反応を起こす超臨界メタノール法の1つである。主な特徴は、グリセリンをほとんど発生せず(0.5%以下の発生分も回収後、再燃料化)、原料を無駄なく燃料にできること、並びに、洗浄処理施設が不要なため、設備がアルカリ触媒法よりも簡易なことである。

 

 このSTING法によるBDF(SDF:STING Diesel Fuel)、アルカリ触媒法によるBDF及び軽油を、CO2排出量を推計する対象とした。

研究結果

 

SDF、アルカリ触媒法によるBDF及び軽油のLCインベントリ分析の結果を示した。SDFは、①川崎市内で製造した場合及び②つくば市で製造した場合に分け、BDFは、副生成物グリセリンの燃焼処理における排出係数を①大きく見積もった場合及び②小さく見積もった場合に分けた。この図の特徴として、SDF及びBDFでは製造過程のCO2排出量が大きく、軽油では消費過程のCO2排出量が大きいことが分かった。

 

上図2つの結果をまとめ、左下図に各燃料1Lあたりの全CO2排出量の評価結果を示した。SDFの排出量は、原料の入手、製造及び輸送の過程では、軽油の1.2~1.5倍になるが、消費を含むと、カーボンニュートラルの概念により、軽油の1/9~1/7になることが分かった。また、SDFの製造時消費電力及びBDFのグリセリン燃焼が、全CO2排出量に大きく影響しており、実用段階での課題と考えられた

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