一般的なバイオディーゼル燃料は、BDFと呼ばれ、植物油をメタノールでエステル交換することで精製される。このアルカリ触媒法は仕組みが簡単であることから、現在主流となっているが、工程の中で副生されるグリセリン触媒洗浄に使用する排水処理などの点が問題となっている。
一方、STING法では、油脂をメタノールでエステル交換すると同時に分解を行うことにより、従来法では副産物として生成されていたグリセリンが排出されな い特徴を持つ。

従来の方法 | 当社独自の方法 | |
油脂の種類 | 廃食油で、植物性の油のみ利用可(牛・豚・パーム油など常温で固化するもの不可) | あらゆる廃食油が利用可 |
集荷の難易度 | 油脂が限定されるため、価格が割高 | 油脂の限定がないため、集荷が容易 |
油脂の需要度 | 植物性油脂はインク、ペンキ業界も使用するため、需要が高い | 植物性油脂は需要が高いが、動物性油脂は常温で固化するため需要が低い |
化学反応促進剤 | 水酸化ナトリウムを使用する | 促進剤は使用しない |
促進剤の除去工程 | 必要 | 使用しないため不要 |
グリセリンの発生 | 15~30%発生する | 発生しない |
グリセリンの除去工程 | 必要 | 発生しないため不要 |
メタノール残留度 | BDF中のメタノール残留度が高い | BDF中のメタノール残留度は極めて少ない |
生産時間 | 1工程作業時間は8時間程度 | 1工程作業時間は5~10分 |
生産量 | 1工程作業時間が長いため、大量生産には機械の大型化が必要 | 1工程作業時間が短いため、大量生産可能 |
収穫と廃棄量 | 廃油10:メタノール5の割合で加えると生産量15に対して、グリセリンの発生を伴うため、15×0.3=4.5を廃棄(廃棄グリセリン量)したがって、収穫量は15-4.5=10.5 | 廃油10:メタノール5の割合で加えると、BDF10:ガソリン1:再利用可能メタノール4になる。廃棄物はなし |
水洗い | 粗BDFを水洗いし、水酸化ナトリウム、グリセリン等を除去する必要がある。また、その際に汚水が発生する | 廃棄物がないため、不要 |
残留物メタノール | メタノールの残留度が高いため、アルミニウム、ゴム等を腐食させる | メタノール残留度が低いため、問題はない |
機械のコスト | 構造が簡単なため、安価 | 構造が複雑で高価な材料のため、高額 |
生産コスト | 対象油脂が限定的であり需要が高いことと、廃棄するものが多いので生産コスがト高い | 油脂を選ばないことと、廃棄するものがないのでコストを抑えることができる |
環境への負担 | 廃棄物、汚水等負担が大きい | 廃棄物も汚水もないため、負担は極めて小さい |